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2025年

人手不足と集客不足のダブルパンチ ~隗(かい)より始めよ

人手不足と集客不足のダブルパンチ

人手不足と集客不足のダブルパンチ
ゴールデンウィークがスタートして、色々な外食店を訪問させていただいています。
そこで、最近気になることがあります。
それは、大手チェーン店と個人店の格差が、圧倒的に開いてしまっていることです。
以前は、個人店でも独自のメニューを工夫することにより、大手の画一的メニューにない特徴を打ち出していました。
大手に飽き足らない人達は、個人店も良く利用していました。

それが、大手は値上げをしっかりしているにも関わらず、多くのお客様を集客し売上を確保しています。
それに比べ個人店は値上げ自体も我慢し、頑張っているにも関わらずお客様がまばらな状況です。
先日、“王将”の大型店舗に訪問すると、90台はあろうかという駐車場は満杯で、3人のガードマンがお客様の車を誘導していました。
さらに店内に入り切れないため、車の中でスマホを見ながらの順番待ちをしている状況でした。
それに比べ、直ぐ近くの“カレー専門店”はお客様がたった2人でした。
人がいないという理由より、圧倒的な集客力不足です。牛すじカレー料理は美味しいにもかかわらず・・・

隗(かい)より始めよ
個人店は、集客対策について諦めていると言わざるを得ません。
これでは将来がありません。
「隗(かい)より始めよ」とう、ことわざがあるようにまず身近な集客対策から始めないとジリ貧です。
どんなに美味しい料理でも、お客様が居なければ店は成り立ちません。
・幟による告知 ・通行人への手配りチラシ ・店頭での季節メニューの訴求 ・本日のお勧め
・お得なセットメニュー ・・・・・・etc
少しの手間で、出来る事はたくさんあります。

結論:どんなに美味しい料理も集客ができなければ、意味なし!

店長育成の重要性

店長育成

3店舗までは、社長の力で何とかなる

長年、外食産業を支援させていただいていると、いつも不思議な現象にぶつかります。
1店舗目が成功して繁盛店となると、次にだいたい近くに2号店を出店させます。
2店舗目も繁盛店となると、勢いに乗って立地を変えて次の駅近くに3店舗目を出店します。
本店と全く同じ店舗造作で同じ規模、メニューも同じ、サービスも同じ。
しかし、どういうわけか3店舗目は売上が全く上がらない状況がおきます。
同一店舗、同一メニュー、同一サービスにもかかわらずです。
私も、以前は全く理由が分かりませんでしたが、最近理解できるようになりました。
それは、最初の店舗のインパクトがなくなり、物珍しさの効果がなくなったからです。
しかし、社長自ら不振店に出かけ、細かく指導することにより持ち直すことができます。

3店舗を越えると片腕となる店長育成が必須

業績が良くなれば、出店意欲も高まってきます。
勢いよく、10店舗まで出店することも可能です。
出店により売上はドンドン増えていきますが、利益率はかえってドンドン低下する現象が生まれます。
これが、俗に言う10店舗の壁です。
つまり社長が、気が狂ったように店舗巡回しても、各店舗が離れているため細かくフォローしきれません。
調理やサービスのバラツキから店舗間の売上と利益にかなりのデコボコが生まれます。
ここで、店長育成の教育を実施して店舗コンセプトの徹底や調理の標準化やサービス品質の安定化が必要となります。
さらに、お客様と直接接触する最前線部隊であるパート・アルバイトの教育が大切となります。
ここでは、片腕となる店長を何人育てられるかが、勝負となります。
この店長の力量の総和が会社の売上を左右していきます。


10店~20店舗までは、店舗運営の「質」の標準化が必要

ここからは、各店長にお任せではなく会社としての仕組みを作っていく必要がでてきます。
会社の仕組みとは、組織体制と役割分担、店舗運営基準書、原価・利益コントロール手法、公平な人事制度作り等が
必要となってきます。
この仕組みが20店舗までにできないと、不思議な現象ですが20店舗を達成した時点から、赤字店の増大で撤退が始まります。
その後、何と元の10店舗の状態にまで戻っていきます。
これを繰り返すことになります。

3店舗を越えたら、サービスマニュアルだけでなく店長マニュアルも同時に作ろう

この店長を育成する仕組みとなるマニュアルがないと、いつも口頭で注意しつづけなければなりません。
これでは、店長の個人的能力に依存することになってしまいます。
まるでモグラ叩きゲームの繰り返しになります。

客単マネジメントで納得の値上げ

客単マネジメント

人材採用は論外!

東京晴海で開催される「国際ホテル・レストランショー」では、
メインテーマが“人材採用”となっていた。
つまり人の確保が重要課題になっている。
人の確保が大変な事は、コロナ後からたびたび喧伝されてきたことである。
皆分かっており、認識もしている。
しかし、2024年度の有効求人倍率は1.25倍で、驚くことに3年前よりやや減っている。
厚労省の担当者によると「人手不足は分かりきっているが、採用するだけの余力が無い」ということになる。
この緊急事態 売上増の手を打つ何としても売上を上げないと・・・人材採用は論外!の状況である。

現在の状況

諸物価の値上げが留まるところを知らない。
大手メーカーの、値上げ率は平均18%と昨年度を上回る水準となっている。
われわれ中小のサービス業も単なる値上げでなく→売上UPをしていかないと営業ができない。
売れば売るほど赤字の増大から脱却し、(三方良しの)値上げで黒字化させる客単マネジメントが必要である。

売上=客数×客単価・・・これは飲食店の常識だが、客数増のための販促費を投下してもあまり客数は伸びない。
三方良し(消費者、われわれ経営者、仕入先)も納得できるよう客単価を上げていかないと生き残れない。
もし客単価UPできないと、諸経費上昇で赤字経営→資金流失→事業縮小→負債残の増加→倒産の道を進む。
とはいえ、“客単価の絶壁”がそびえ立っている。
大手チェーンは店舗規模が大きいため低価格政策により客数増策ができる。
しかし、中小のサービス業は単価下げるための原価率改善には限界がある(バイイングパワーがない)

解決策

客単価を分解すると、平均客単価=一品平均価格×一品平均買上率 となる。
この平均価格と平均買上率を向上させる対策がポイントである。
また、全メニューの価格を上げてしまうと、消費者に割高感もたれ、客離れを生じさせる。
消費者にとってお得メニュー×利益メニューを組み合わせる対策が秘訣である。
これをメニュー・ミックスという。
結論:メニュー・ミックスを考えて、客単価をUPさせ粗利増!

生き残りのための価格政策-ダイナミック・プライシング

ダイナミック・プライシング

生き残りのためには、継続的値上げが必須である
このまま、値上げできない飲食サービス業は、衰退から廃業への道を走っていくことになる。
食材の値上げ、スタッフの離職、設備の維持補修費と常に出費は増えていく。
この出費に備えて一定の利益を蓄積しておかないと、財産をすり減らして生活していくことになる。
現状維持の考え方でなく、“拡大再生産”で投資余力を蓄えていかないといけない。

過去30年以上前は、毎年の値上げが普通に実行されていた。
いまでは信じられないが、既存店の売上げベースで毎年10%以上の売上が伸びていた。
それは、業績の向上というより、“価格改定という名”の値上げが毎年行われていたからである。
最近の状況から判断すると、諸物価の上昇は今後も継続的に続いていく=メニューの継続的値上げが必須である

絶対やってはいけない価格政策-マークアップ方式の値付け
製造原価に人件費と経費分を見込んで、
原価×一定利率=売価を決める方法
売価を簡単に決定しやすいが、お客様によって柔軟な価格政策ができない。
値段が高いと思われてしまう。
この方法を続けていると、柔軟な値上げ対策ができない。
店の利益率はどんどん減っていき、お店は潰れてしまう。

お客様も店側も納得できる価格政策-ダイナミック・プライシング
◎一つ一つのメニューで儲けようとはしない。メニュー全体で利益を出す手法。

●お客様側、お店側の双方が満足できるメニューがバランス良く配置されているメニュー構成にする⇒具体的には、メニュー毎の粗利益率を算出して、メニューミックスで利益率のコントロールを実施する。
高級物ばかり、一般的な大衆メニューばかりでは、お客様の満足度は向上しない。ダイナミックなメニュー構成を組み立てる。

結論:ダイナミック・プライシングでお客様と店側双方の満足度を高めよう!