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クレーム

クレーム対応で心がける注意点・・・認識ギャップを知る

クレーム対応・接遇マニュアル

《指導者編》


1.アルバイト・パートは何故クレームに対応しようとしないのか?


アルバイト・パートはクレーム対応を大変怖がっていることを知る
店長や責任者にとっては、完璧な店なんて存在しないことは分かっている。
チョットしたことやウッカリでお客様に迷惑をかける場合があり、心構えができている。

ところがアルバイト・パートにとっては、お客様から叱られたり、注意されると慌てふためく。
クレームから逃げたい心理が働く。
親にさえ怒られた経験がない。
・・・圧倒的に怒られ経験不足の状態だと知るべし。

2.クレームから発展して従業員同士のケンカにしてはいけない


お客様は美味しい料理と心地よい空間を外食に求めている。
普段から、どちらかが忙しい時に手伝う習慣を作っておく。

そうすれば不幸にも調理し直しになった場合にも、特急料理としてスピード対応が可能となる。
私のお奨めは、ごく単純なことだが他部門が手伝ってくれたちょっとしたことにも
“ありがとう”と一言述べる習慣づくりである。

3.注意するだけでは、永遠に減らない


クレームのメール文や苦情報告書を店内に掲示して、注意してもクレームが減ることはありません。
これで責任者は指導したつもりになってもいけません。

例えとして不適切かも知れませんが、こんな言葉があります。
“注意して直るのであれば、警察はいらない”


《クレーム対応 心構え編》

1.クレームとは、お店側にとっては何度も起きる日常、お客さんにとっては一生に一度の問題

お店側にとっては、毎日いや月に何回か必ず起きているクレームであるが、お客様にとっては一生に一度の問題である・・・という認識が必要である。

・・・共感訓練をする。
“本当に申し訳ございません”という気持ちがあってこそ、お客様は納得できます。
何故ならめったにない事件がお客様に発生したのですから。


2.クレームは、“不満の風船”

この“不満の風船”はかなり変わっています。“普通の風船”は時間が経てばしぼんでいきます。
しかし、“不満の風船”は放っておくとドンドンさらに膨らみます。

さらにこの“不満の風船”がやっかいなのは、無視すればするほど近寄ってくることです。
ポイントはただ一つ、目の前のお客さんの不満には即対応することです。


3.お客様の立場と店舗の立場の違い・・・お客様にとって店内の様子は知るよしがない

飲食店の内部で仕事をしたことの無いお客様には、店内のスタッフの動きは想像できません。
スタッフがお客様が来るのを、今か今かと待機していると勘違いしています。

ここでのポイントは、“お客様は店舗の都合など全く関心がない”ことです。
ここで言い訳すると逆効果になってしまいます。

“すぐお伺いします”、“少しお時間いただけますか?”
→クレームなる言い訳 “順番にお作りしています”、“手作りですので時間がかかります”
・・・「そんなの、関係ない!」


教 訓:
◉クレームとは、お店側にとっては何度も起きる日常、お客さんにとっては一生に一度の問題
◉クレームは、“不満の風船”と捉える

クレーム教育でのマニュアル効果とは?

マニュアル

クレームを減らすための対策には、どのようなものがあるのでしょうか。
一番簡単なのは、クレームを起こしてしまった本人を目の前にして注意することです。
しかし、これでは根本的な解決になっていません。
一人一人に個別指導していては、きりがありません。
そこで一気にサービスレベルの向上に役立つのがマニュアルです。
マニュアル作成には、手間がかかりますが一度作成できれば大きな効果があります。

マニュアル作成の効果1:サービスの標準化ができる

サービスについては、残念ながら個人個人のこだわりがあり内容はバラバラです。
まず、この標準サービスラインを決める必要があります。
自社、自店での標準サービスラインを決めるだけでもバラツキが少なくなります。

標準化効果

マニュアル作成の効果2:サービスが安定化する

お客様にいつ、何時にいっても安心して利用してもらうには、サービス品質を安定化しないといけません。
安定化とは、朝のラッシュだろうが、昼のランチピークだろうが、夜の会食だろうが目的に合ったサービスをすることです。
昼のランチでは、食事時間が制限されています。この制限時間でいかに満足できる食事を提供できるかです。
問題なのは、二交代などのシフト制をとっている場合に、スタッフとチームの入れ替えがあることです。
スタッフが替わっても、同一のサービスが提供できないといけません。

安定化効果

マニュアル作成の効果3:動画教育万能の勘違い・・・初期教育向け

社員教育のコンサル会社にいた経験から、マニュアル以外の教育ツールとして、動画教材も数百本という単位で販売してきました。
ツールとしては、VHSテープから始まりレーザーディスク、DVD、オンライン動画と様々開発してきました。
そこで得た経験から言えることは、“動画は初期教育にとても適している”ことです。
動きのある映像のインパクトは大きいです。
ところが、“大きな欠点は一度見てしまうと・・・もう分かった” となり、二度三度見返すことはしません。
マニュアルは、サービスの振り返りや反省材料として、活用することができます。
サービスで有名なリッツ・カールトンホテルが、“クレド”と呼ばれる指針で毎日ラップミーティングしています。
それは、紙に書かれているサービス指針を実現できているかどうか、毎日追求しているからです。

教 訓:
◉クレームを撲滅させるため、クレーム対応・ハンドブック(冊子)を作ろう
◉その場主義で叱っても、永遠にクレームが減ることはない



苦情・クレームはなぜ起きるの?

ウェディング会場

苦情・クレームは経営者や店舗責任者の頭を悩ます問題です。
いつ何時起きるか分かりません。突然の現象です。
経営者や責任者にとっては、クレームなしの方が安心です。ゆっくり眠れます。
しかし、お客様からの“店舗の未熟な点”=「期待外れ」についてのご指摘でもあります。

クレーム内容には大きく2種類ある
様々な苦情・クレームが口頭やメールやお客様の声や掲示板からあがってきます。
実はクレーム内容は大きく2種類に分けることができます。
それは、接遇・マナーに関することと商品不良に関することです。
①接遇・マナーのクレーム・・・接遇時の言葉遣いや応対に関するもの
②商品不良のクレーム・・・味が薄い濃い、商品がぬるい、固いなどの商品不良に関するもの
ここで問題なのは、スタッフの接客や態度に関するものです。
スタッフの意識が変わらない限り、何度でもクレームが発生してしまいます。
しかも、問題点は“スタッフが悪いと気づいていない点”にあります。
つまり、いつまで経ってもクレームは治りませんし、減ることもありません。

注意だけで人は変われない
どこでも行っている、苦情報告書を見せて注意する、苦情を一覧表にして掲示する、謝罪文を書かせる
だけでは、反省はしても変わることができません。
俗に言う“注意するだけで良いならば、警察はいらない!”と同じです。
相手の立場、気持ちを捉える意識変革が必要です。
クレームの原因は、《お客様の立場と店舗の立場の違いによる期待値のズレ》から発生します。
お店の立場、お客様の立場

お客様はどんな気持ちだったのか?
実は何をして欲しかったのか?
の期待値を知り、応対することが大切だったのです。

教 訓:
◉スタッフが当然と思っている態度は、お客様には通用しない
◉お客様の期待値を考え、応対するのがサービス業である